一休:長い道のりを前にして

何日か前に読んだ映画監督、山田洋次さんの言葉がずっと気になっていました。朝日新聞のインタビュー記事で、阪神大震災の後、神戸市の長田地区で映画を撮影するに至ったお話です。

被災された方々から「私たちが今ほしいのは、同情ではない。頑張れという応援でも、しっかりしろという叱咤でもありません。そばにいて一緒に泣いてくれる、そして時々おもしろいことを言って笑わせてくれる、そういう人です。だから寅さんに来てほしいのです」と言われたそうです。

この言葉こころにとどめました。

私自身、「同情」とか「頑張れ」とか「しっかりしろ」とか言っていませんでした。
一緒に泣いてきました.遠いアメリカからでは側にいてあげられないけれど、こころの中では、寄り添って涙してきました。
けれど、おもしろいこと? おもしろいこととか笑う事など考えもつきませんでした。
実際、この三週間笑っている人がいると苛立ち、被災地にいる方のことを思えば何もかもが笑い事ではなかったのです。

サイト運営に根を詰め過ぎだ、と家族や友人に言われ、地震発生以来映画を観ていない私は、山田洋次監督ののこともあって映画のことを考え始めました。
行方不明の家族や友人を今まで毎日捜してきた人達は、何かに希望を持てる強さを借りたいと思うのでしょうか?
被災者の方々は、現実と向き合う前に少しだけでも一息つきたい、想像の世界に行きたい、と思われるのでしょうか?
私にはわかりません。

西日本の方々は節電の心配もないようで、映画を観ることを楽しみにされているのかもしれません。

アメリカ映画に[寅さん]みたいなキャラクターは見つからないけれど、
少しだけ、心があたたまって、勇気や元気が出るかもしれない映画の特集をご紹介します。
これらの特集は、映画紹介のサイトの方で御覧ください。

張りつめた糸は切れると言います。
長い道のり、すこし休みましょうか?
映画ではなくても、何か気分転換をした方がかえってこれからのエネルギーになるのかもしれません。

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